自己破産とは?

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自己破産という言葉はよくテレビのネットのニュースや新聞記事で耳にすることがあるかと思います。しかし、どのようなことで行うものなのかよくわからずマイナスなイメージを持っている人は多くいるのではないでしょうか?そもそも自己破産とは、債務者が多額の借金などで経済的に破たんしてしまい、裁判所が支払い不能と認めたうえで、最低限の財産と生活費以外をすべてお金に換えて債権者に債権額に応じて借金を返済する代わりに残った借金の支払い義務を免除する、という救済制度の一つになります。破産の申し立ては債権者からでも可能ですが、債務者自身が裁判所に申し立てるものを一般的によく言われる、自己破産と呼んでいます。先ほども述べたように自己破産は生活するための必要最低限の財産以外はすべて失うことになりますので、数ある債務整理の中でも最終手段とも呼ぶべきものになっています。

自己破産で借金ゼロになるまで

自己破産は借金をゼロにする最後の手段である、というのは先ほども述べたとおりです。しかし、過去にはそうでない時期がありました。では一体いつから現在の形になったのでしょうか。そして自己破産はどのような流れで行われているのでしょうか。

現在の破産法の始まり

自己破産制度はこれまでいくらか形を変えています。1890年にはフランスの法律を元にした、商売人のみが破産手続きが取れる制度を採用していて、一般人は家資分散法というものによって規定されていました。現在の破産法は1922年に制定されたものが元になっています。これはドイツの法律を採用したもので、これにより商売人と一般人を分けずに破産手続きが取れるようになりました。しかし、この頃は債権者に財産の配当が行われた後に債務が残っていると免除はされませんでした。つまり、借金が残っている場合はその後も払い続ける必要があったのです。その後、1952年にアメリカの法律に影響を受けた会社更生法が制定されると債務の免除が行われる免責制度が破産法に採用されます。これにより財産の清算だけでなく、破産者の経済的な更生をおこなう制度の形が生まれました。その後、バブル崩壊などを経て、企業の大規模な倒産の増加や消費者の破綻に伴い、破産手続きと免責手続きのズレなどの問題が起き、全面的に改正が行われ2004年に新破産法が制定されました。

自己破産の流れ

自己破産の大まかな流れは、自己破産手続きに必要な書類の提出です。裁判所で入手するもので破産申立書や免責申立書、資産目録、債権者一覧表、家計の状況、陳述書です。この他、自分で用意するものに住民票、戸籍謄本に給与明細、源泉徴収票、市民税・県民税課税証明書、預金通帳などの写しが必要です。この他、車や不動産、保険、年金など所有しているもの受け取っているもがあればすべて所有を示す書類の写しが必要になります。書類に不備がない場合、破産の審問を受け、借金の免除を行えない理由はないかを確認されます。それにも通ってようやく破産手続きの開始が決定します。その後、お金に変えられる財産があるのならば弁護士などから選ばれる破産管財人という人が債務者の財産の管理を行い、債権者に債権額に応じて配当手続き行われ、破産手続きは終了になります。そして最後の審問を通して債務支払いの免除の決定が行われます。これで一連の自己破産手続きは完了し、借金は免除されるのです。

<h2>自己破産のメリットとデメリット

自己破産は借金をゼロにするための最終手段であり、結果的には財産のほとんどを手放すことになります。ではそんな最後の手段にメリットやデメリットというものはあるのでしょうか。

自己破産のメリット

自己破産は債務整理の最終手段とは言えメリットはあります。なんといっても借金の支払い義務の免除です。これまで頭を悩まし続けたことから解放され、借金の不安はなくなります。さらに自己破産手続き開始後には債権者は給与差し押さえ等の強制執行はできなくなります。闇金や悪徳業者だと取りたてに来たりと精神的に不安を感じたりすることもあったでしょうが、破産申立てを行えば取りたては規制されます。もし、申立て後や自己破産後も来るようならそれは警察に相談するような事態です。けして取り立てには応じないでください。また、財産の多くを失うことになっても最低限は残すことができます。

自己破産のデメリット

デメリットとしては挙げられるもので、今後5年から10年の借入はできません。いわゆるブラックリスト入りです。このため、クレジットカードや教育ローンのようなものも組むのが難しくなします。また、住所などが国の発行機関紙に載ります。場合によってはこの情報を元に闇金などの悪徳業者からの連絡があるかもしれません。職業や資格についても、破産手続き開始後には免責許可が下りるまでの数カ月間は警備員や士業などの一部職業についても制限がもうけられます。また、破産手続きが終了するまでの間は住所の移転や長期間の旅行はできません。

このように自己破産にはマイナスなイメージが付きまといますが、消してマイナスばかりではありません。自分を苦しめてきた借金をなくし、再出発をするための最後の手段です。もし借金に苦しんでも自己破産で借金から解放され再出発ができる、とお考えになって下さい。

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