アコムの営業益が伸びない…「過払い金」の余波はまだまだ残っています

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大手消費者金融の「アコム」の業績が伸び悩んでいます。

アコムの3月の業績によると、このところのアコムの営業利益は前記横ばいの数字が出ているそうです。アコムはさらなら業績回復を見込んでいたようですが、相変わらず業績は伸び悩み。

その業績益下振れの一番の要因は「過払い金」です。貸金業法改訂によって撤廃された「グレーゾーン金利」により、借入期間の長い消費者金融は「過払い金の返還」を余儀なくされているのです。

アコムの経営は安定しているのか?

過払い金の支払いによって、経営を圧迫されているアコム。アコムの経営は安定していると言えるのか、得にアコムからお金の借り入れを行っている方なら、なおさら気になってしまいますよね。

三菱東京UFJ銀行のグループ企業なので後押しが強い

アコムはかの都市銀行「三菱東京UFJ銀行」のグループ企業。つまりアコムは、都市銀行の後押しを受けながら経営を進めているのです。

それゆえハッキリ言って、アコムが倒産してしまう…なんてケースはあまり考えられないかもしれませんね。

過払い金請求の時効は近い

今でこそアコムをはじめ消費者金融は過払い金返還で経営を圧迫されていますが、今後は過払い金返還による経営の影響が少なくなっていくであろうと予想できます。

その理由は「過払い金の時効が近い」ということ。過払い金の時効は最後の取引から10年。いまだ過払い金が残っている人もいますが、10年をすぎればそれは「返還請求」が出せなくなってしまうのです。

アコムは大手消費者金融の中でも「最大手」

アコムの経についてもう少し詳しく見ていきましょう。アコムは他の大手消費者金融とくらべて、申込数や利益など実は多いのです。つまりアコムは大手消費者金融の中でも最大手の消費者金融だと言えるでしょう。

最近は銀行カードローンに割りを食っている

アコムのカードローン利用者は、競合でもある「銀行カードローン」に取られています。アコムのメインキャッシングである「カードローン」は、親会社である三菱東京UFJ銀行カードローン利用に流れているのもまた事実なのです。

アコムのキャッシングは「総量規制の対象」

アコムのカードローン利用者が銀行カードローンに取られてしまっている要因は、「総量規制」です。総量規制の対象である貸金業者からの借り入れは、「年収の3分の1以下」と定めるこの法律によって、実質不可能なのです。

そうして他社借入金額の多い多重債務者は、総量規制の対象外である銀行カードローンの利用に流れていってしまうというわけです。

アイフルの経営は安定している

競合である大手消費者金融のアイフルは、対して経営が安定しています。3月期の利益も、当初の予想通りのところで落ち着きそうです。

アイフルはアコムほどの営業利益を上げているわけではないものの、アイフルの経営状況は、アコムからすると気が気でないですよね。

過去の金融支援を受けたことが大きい

アイフルの経営が安定している一番の要因は、アイフルの過去経営危機をきっかけにした金融支援で、ローン残高を大きく減らしたことが大きいです。アイフルは銀行の支援を受けない、独自の経営スタイルを貫いていますが、今の時代独立した経営方針を行っているのは本当にすごいです。

ちなみに三井住友銀行の連結子会社であるプロミスも、アコムとだいたい似たような状況だと言っていいでしょう。

行政からのキャッシングの取締で業界は変わる

貸金業法改訂で多少、行政のキャッシングへの関心は弱まったと思われましたが、最近銀行カードローン利用により自己破産件数が増えたことなどで再び行政はキャッシングに注視している状況です。

銀行カードローンにも総量規制がかかるのでは…なんて言っている人がいるくらいです。

メルカリ、ZOZOTOWNのシステムも行政が口出すのでは?

ZOZOTOWNの「ツケ払い」、メルカリの「現金出品」など、貸金業法に抵触しそうな問題が続出しています。キャッシング業者以外でも、法律に抵触するのでは…という問題は山積み、そして後から後から続出しているのが事実。

今後キャッシングに関する問題に対し、行政からの圧迫がきつくなってくるのは容易に想像できるでしょう。

まとめ

アコムの業績が安定しない話題から、行政のキャッシングに対する関心へ話をシフトしました。

アコムだけの問題でなく、過払い金の問題はキャッシング業界全体に関連する話題です。カードローン、キャッシング、クレジットカード…お金に関する問題は生活、そして人生にも直結する問題なので、国の取締が厳しくなるとしても納得ですね。

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